せっぱつまりこ’s blog

宮城県仙台市及び近郊を中心とした、東北地方の様々な情報について書こうと思います。

#東北でよかった の危険性

前回の記事を書いた後に、私はツイッター上でこんな発言を読みました。

togetter.com

私の住む宮城県では、このポスターが貼られまくっている光景は(神社は知らないですが)まだ見ないですが、矢張り不気味な印象を受けました。

 

そうした不気味さの一つとして、例のまとめの中でも何人か言及しておいでの方がいましたが、「日本人」でない人々をを切り捨ててしまう危険がある、ということが挙げられます。そしてここでの「日本人」は、「今日の今の時点で日本国籍を有する人々」という意味だけでなく、もっと狭く偏った意味合いがつきまとうものであり、より差別的排他的な意味合いになっています。

又、「日本人」像(というか「望ましい日本人」「あるべき日本人」像)を過度に画一化させ、そこから外れた(とされる)「日本人」を排除したり、“逸脱者”とみなして攻撃したりといったことも助長する危険があります。

 

今回の「#東北でよかった」ツイートも、場合によってはこの路線を辿る危険があります。実際、中には「出身が#東北でよかった」的な、「非東北出身者(私も「非東北出身者」です)」を締め出しかねないセリフがあるツイートも散見されました。私はそれを、矢張り少々恐ろしく思いました。

 

これは東北地方に限ったことではないですが、「日本人」という大きな主語での語りや「日本(人)スゴイ」言説には批判的な方の中にも、「○○(地方)人」という大きな主語での語りには全く無批判であったり、場合によってはご自分でもそんな大きな主語での語りをしてしまうことがあるため、自戒も含めて注意したいものです。

#東北でよかった

私もツイッターは使わせて頂いておりますが、今( 2017年4月26日現在)、こんな盛り上がり

nlab.itmedia.co.jp

があるようですね。

 

こんな盛り上がりは、大変良いことだと思います。この盛り上がりには、私も大いに感謝しております。

 

ただ、これで盛り上がっている方の中に、この「大震災が起きたのが東北でよかった」騒動が起こる直前まで、行き過ぎたとしか言えないような「東北地方、そして東日本は放射性物質で汚染されている発言」などをしていた方はいないだろうか?とも思います。まぁ、私も含めて人間はうかつな振る舞いをしてしまう存在です故、過去の段階でそうした過度な恐怖を煽っていたことの是非は論じません。ただ、これは私の個人的な意見ですが、今回の件でご自分の過去の極端なご発言にきちんと向き合わない限り、この「#東北でよかった」で盛り上がっても、それは偽善でしかないように思います。

 

しかし、矢張りこうした盛り上がりは、ないよりはずっと良いものです。ですから、不肖私もこちらで「自分で選んだ居住地が #東北でよかった ネタ」について書こうと思います。

 

矢張り、何と申しましても私が住むことにしたのが #東北でよかったのは、今年がこれ

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に当たる年であることですね。これで盛り上がることができる仙台が、私は大好きです(これは東北というよりむしろ「仙台でよかった」ネタですね)。

 

後、この方たち

datebusyou.jp

の存在もイチオシです。拙ブログなどよりむしろ彼らの公式ブログ

ameblo.jp

をお読みになることを、お勧めしたいものです。

 

他にも、「仙台朝市」

www.sendaiasaichi.com

もいいですね。朝市とはいいますが、夕方までやっている商店街です。仙台朝市の歴史は、戦後すぐの焼け跡に建ったいわゆる闇市に始まります(その点は、東京・上野のアメ横と共通点がありますね)。

 

 

 

 

「仙台飛ばし」について

今回は、仙台そして東北について、必ずしも肯定的な面ばかりではないということも書かせて頂きます。

 

皆様、「名古屋飛ばし」という言葉はお聞きになったことがございませんか?この「名古屋飛ばし」とは、国内・海外の映画でよりマニアックな作品や、あるいは国内・海外のタレントさんなどの全国公演ですとか、大規模な美術展ですとかの開催が、日本の主要都市圏の中でも、しばしば名古屋では上映や開催がされないことを意味する言葉です。

 

ところで実は、余り言われてはいないですが、「仙台飛ばし」もあります。特にいわゆる「よりマニアックな」海外映画にはそうした傾向が強く、比較的最近の有名な作品では「帰ってきたヒトラー」も、仙台(というか東北6県)では上映されませんでした。後、R15(だったと思います)のフランクフルトをキャラクター化したエロ風味のアニメも「仙台飛ばし」されてしまいました。この調子なので、「この世界の片隅に」の上映前には、果たして「仙台飛ばし」されないか、私も結構本気で心配でした(無事上映されましたが)。

 

ただ、こうした「仙台飛ばし」は映画以外では常に起きているわけではなく、(今(2017年4月17日)現在もまさに「トーテム」の仙台公演の最中ですが)シルク・ドゥ・ソレイユの日本公演では仙台公演も行われるのが一般的なようですし、こちら 

nlab.itmedia.co.jp

の「ディズニー・アート展」も、きちんと仙台でも開催される見込みです。是非、私も観に行きたいです。

 

このように、いわゆる「かなりマニアックな海外映画」以外は、割と仙台スルーは少ないようです。「仙台飛ばし」が余り騒がれないのは、一つにはこのためもありそうです。

 

仙台市街地に残る、江戸時代の運河について

昨年「ブラタモリ」で、仙台市内を流れる「四ツ谷用水」について取り上げて頂きましたが、実は仙台の市街地(特に東部)には、江戸時代の運河も残っております。

仙台市若林区に、「舟丁」という地名があります(なお、この舟丁には仙台駄菓子(これについても後で記事にできればと思います)の老舗「石橋屋」さんがあり、大変美味な伝統の駄菓子で有名です)。

この地名の由来は、江戸時代の極めて初期、藩祖伊達政宗が仙台を新しく建設した際、城や武士・庶民の住居用の材木を船で内陸部まで運び、又、その後も米などの物資を船で運んだことに由来します(これは仙台に限ったことではなく、ある程度歴史のある海に面した街ですと、「舟丁」やそれに類する「舟入町」「入船・入舟」等々の地名があるケースが、多々あります)。

この舟丁の周囲には、「染師町」という地名があります。これは、往時は運河に清浄な水が満ちていたため藍染に利用できたことから、藍染職人が多く居住する地域であったことに由来します。

話は変わりますが、仙台市若林区役所の敷地内には、小川のようなものがあります(写真参照。私の撮影です)。

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これも、実は江戸時代に造られた運河で「七郷堀」といいます。よく見ると、運河が2つの流れに分かれていますが、ここが七郷堀の終点です。この分岐点のうち、向かって右側の流れが「仙台堀」、向かって左側の流れが「高砂堀」となります。

なお、高砂堀は現在暗渠化されていますが、この写真(私の撮影です)のように、突然地上に姿を見せている部分もあります。撮影した方向の反対側は、路地となっています。

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「政宗ワールド」プロジェクトについて

皆様、初めまして。私せっぱつまりこは自称葬儀・終活(意味はお手数ですが検索して下さいませ)ライターです。現在こちら 

dappans.com

で、日本史の中の葬儀・埋葬・死者供養やその他民俗的なネタを寄稿しております。

ただこちらの拙ブログでは、葬儀・終活ネタというよりは、宮城県仙台市及び近郊を始めとする、東北地方に関する様々な情報について色々と書こうと思います。

 

ところで今年2017年は、仙台藩の初代藩主である伊達政宗の生誕450周年に当たります。下の写真は、私が撮影しました仙台駅前のバス乗り場の光景です。

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更には仙台市役所でも、この写真(これも私の撮影です)のような横断幕が出ました。

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昨年、文化庁により、仙台市や近隣の自治体によって申請された「政宗が育んだ“伊達”な文化」 

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/nihon_isan/pdf/nihon_isan19.pdf

が「日本遺産」に認定されたこととも相まって、政宗生誕450周年は若干静かではありますが、着実に盛り上がりを見せてきています。

そうした中、市民主体プロジェクト「政宗ワールド」が登場しました。 

masamuneworld.jp

このプロジェクトは様々な市民団体や関係地域が連携し、「伊達政宗」をキーワードとした様々な分野(歴史・観光・まちづくりその他)をネットワーク化したり、色々な有形無形の歴史遺産の復元・再生に取り組んだりするものです。個人でも「政宗ワールド」プロジェクトの会員になることができます。私も会員の1人です(ただ、私は政宗を始めとする戦国の人物の人物伝よりも、彼らが亡くなった際どのように埋葬・追悼されたのかに強い関心がございますので、そちらを生かせるよう励みたいです)。